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当科の特色
Feature

  • 当院の手術件数は年々増加しており、多様化、高度化する脳神経外科治療において新しい高度医療を実践し、患者主体のオーダーメイド治療を目指しています。
  • 脳神経外科手術例のみならず脳梗塞に対するt-PA血栓溶解療法など幅広い脳疾患を積極的に治療しています。近隣病院や診療所と連携をとり、脳卒中などの救急患者を24時間態勢で受け入れています。
  • 平成23年4月からハイケアユニット (脳疾患治療センター)が稼働し重症患者の24時間集中管理を行っています。
  • 手術は、ナビゲーションシステム、各種神経生理モニタリングによる高度な脳神経外科手術を行っており、神経近傍、運動領域、言語中枢など特殊領域に発生する脳腫瘍摘出術、脳動脈瘤クリッピング術など、脳機能を温存する低侵襲手術を実践しています。さらに言語領域病変に対する最先端の覚醒下手術も行っています。
  • 脳動脈瘤、血管狭窄に対する血管内治療や、水頭症に対する神経内視鏡手術などの高度な治療を行っています。

脳疾患治療センターの特色
Stroke Center

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの疾患専門チームが高度な医療を提供するための治療室です。
緊急時に備えて、常に専門医が待機していますので、脳疾患の疑いがある患者さんをいつでも受け入れることができます。

  • 新館病棟3F(12床)
  • 24時間モニター設置
  • 看護師常駐
  • センターはナースステーションから常時監視

医師紹介
Doctor

脳神経外科の担当医師の紹介です。クリックして詳細をご覧ください。

院 長
西崎 隆文

専門分野

  • 脳腫瘍外科手術
  • 脳血管障害外科手術
  • 顔面けいれん・三叉神経痛の手術

出身大学・卒業

山口大学 昭和61年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本認知症学会指導医
  • 日本脳卒中の外科技術指定医

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中の外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本癌学会
  • 日本脳腫瘍の外科学会
  • 日本認知症学会

得意とする診療内容

  • 脳腫瘍
  • 脳動脈瘤
  • 神経内視鏡
  • 顔面けいれん・三叉神経痛の手術

主な業績(論文・著書・学会発表

  • Nishizaki T: Surgical approaches for lateral ventricular trigone meningioma. InTech Meningiomas - Management and Surgery. 126-136, 2012
  • Nishizaki T, et al: Factors determining the outcome of pontine hemorrhage in the absence of surgical intervention. Open J Mod Neurosurg, 2: 17-20, 2012.
診療科長
池田 典生

専門分野

  • 脳神経外科全般
  • 脳卒中(くも膜下出血・脳梗塞・脳出血)
  • 脳血管内手術

出身大学・卒業

山口大学 昭和63年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会認定指導医・専門医
  • 日本脳卒中学会評議員
  • 日本脳卒中学会認定脳卒中指導医・専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会認定指導医・専門医
  • 臨床研修指導医

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 日本脳神経外科コングレス
  • 日本心血管脳卒中学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳卒中の外科学会

得意とする診療内容

脳卒中の診断・治療と脳血管内手術

主な業績(論文・著書・学会発表)

  • 論文「シロスタゾールが奏功した症候性頭蓋内動脈狭窄症の3例」 脳卒中34 (3) : 161-165, 2012
  • 「頸部内頸動脈の線維筋性形成異常症に起因した左中大脳動脈閉塞症の1例.JNET6:40-45, 2012
  • 学会発表「線維筋形成不全に起因した左中大脳動脈塞栓症の1例」第37回日本脳卒中学会総会 2012年4月26~28日
  • 「頸部内頸動脈の線維筋性形成異常症に起因した左中大動脈塞栓症の1例 第11回日本頸部脳血管治療学会 2012年6月1~2日
  • 外転神経麻痺にて発症した全身性エリテマトーデスに合併した未破裂内頸動脈瘤の1例.No Shinkei Geka 40:429-435, 2012
  • 慢性期内頚動脈完全閉塞に対する脳血管内治療.脳卒中の外科 42:109-115, 2014
  • 遺残原始舌下神経動脈に合併した多発性未破裂脳動脈瘤の1例.JNET9:266-271, 2015
  • Wingspan stentの使用経験と文献レビュー.脳卒中の外科 45:297-301, 2017
部 長
奥 高行

専門分野

  • 脳血管障害

出身大学・卒業

山口大学 平成14年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会指導医・専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医・指導医

所属学会

  • 脳神経外科コングレス

得意とする診療内容

・血管内治療

医 長
島袋 太一

専門分野

  • 脳神経外科

出身大学・卒業

山口大学 平成27年卒業

所属学会

  • 日本脳神経外科学会

得意とする診療内容

脳卒中

医 長
鈴木 悠平

専門分野

  • 神経内視鏡

出身大学・卒業

防衛医科大学 2015年卒業

認定医・専門医・指導医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医

得意とする診療内容

・脳卒中の外科診療 ・神経内視鏡手術

医 長
工藤 雅義

専門分野

出身大学・卒業

福岡大学 平成29年卒業

所属学会

医 長
大野 真知子

専門分野

  • 脳神経外科

出身大学・卒業

山口大学 平成24年卒業

所属学会

  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳神経血管内治療学会

得意とする診療内容

脳神経外科

主な業績(論文・著書・学会発表)

  • 第79回(一社)日本脳神経外科学会 入獄四国支部学術集会『緊急で塞栓術を必要とした左S状静脈洞部硬膜動脈瘻の1例』
医 師(非常勤)
藤井 正美

専門分野

  • てんかんとパーキンソン病の外科外来(山口県立総合医療センター 参与)

出身大学・卒業

所属学会

  • 日本脳神経外科学会専門医・指導医
  • 日本てんかん学会専門医・指導医
  • 日本臨床神経生理学会指導医(脳波・筋電図)
  • 定位機能神経外科学会技術認定医

得意とする診療内容

・てんかん ・不随意運動 ・脳波、筋電図

医師教育・施設認定
Education / Certification

研修医、脳神経外科医の皆様へ

  • 当院は山口県内でいち早く脳神経外科を立ち上げた歴史ある病院です。
  • 脳神経外科手術数は年間300を超え、脳腫瘍、脳動脈瘤症例も数多く、県内で有数の脳神経外科施設です。
  • 若い医師のための手術トレーニング用顕微鏡を有しており脳外科医としての研鑽を積むことができます。
  • 症例は多岐にわたり、主に血管内治療、脳梗塞治療、神経内視鏡手術など、さまざまなサブスペシャリティを身につけることができます。
  • 2017年10月に新しい脳神経外科病棟や手術室が完成しました。一緒に働いていただける医師を広く募集しています。

診療内容
Medical Detail

脳腫瘍

髄膜腫、神経鞘腫など良性腫瘍や膠芽腫、転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍の手術を行っています。

術中ナビゲーションシステムによる適格な腫瘍範囲の同定、運動や視神経など重要な脳領域の手術では、モニタリングによる侵襲の少ない脳腫瘍手術を行っています。また、言語領域の手術では患者と話しをしながら手術を行う覚醒下手術など先進地域を行っています。開頭手術の多くは無剃毛手術を行っています。

下垂体腫瘍

神経内視鏡を用いた経鼻下垂体腫瘍や頭蓋底腫瘍に対する手術を行っています。

くも膜下出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形

脳動脈瘤が破裂しくも膜下出血を起こされた患者さんには救命のために緊急で動脈瘤の処置が必要です。当院では動脈瘤の処置方法として開頭クリッピング術とコイル塞栓術が可能ですが、動脈瘤の位置や形などから適切な方法を判断、選択し治療していきます。また、未破裂脳動脈瘤に対する手術も行っています。

  • 開頭クリッピング術:術中モニタリングにより脳機能に影響の無いよう安全なクリッピング術を実践しています。
  • コイル塞栓術

脳梗塞

24時間体制で頭部CT、頭部MRI検査が可能で発症4.5時間以内の脳梗塞にt-PAによる血栓溶解療法と血管内治療による血管形成術や血栓回収療法など高度な血管内手術を行っています。

またキセノン脳血流検査が可能で、頸部頸動脈狭窄症に対する血管内ステント留置術、頭蓋内主幹動脈狭窄症・閉塞例にバイパス手術や血管内血管形成術を行っています。

脳出血

脳出血の患者さんで血腫が多い場合は、全身麻酔で緊急開頭血腫除去を行っています。
また、症例によっては局所麻酔下で神経内視鏡を用いて血腫除去を行うなど、侵襲の少ない手術を行っています。

水頭症

中脳水道狭窄症や非交通性水頭症に対して、神経内視鏡による第3脳室開窓術を行っています。また、正常圧水頭症などの病気に対して脳室–腹膣シャント術を行っています。

顔面痙攣、三叉神経痛

血管が脳神経を圧迫することにより脳神経症状が出現します。顔面神経が圧迫されると、自分の意図とは関係なく顔面の片側の筋肉が痙攣してしまいます。三叉神経が圧迫されると刺すような痛みの発作を繰り返します。薬物療法が効く場合もありますが、効かない場合は手術を行います。

外傷

急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫など、外傷による出血は非常に緊急性が高く、当院では24時間体制で手術を行うことができます。

また頭部打撲後、数週間から数か月後に歩行障害、認知障害、片麻痺などの症状が出現し、慢性硬膜下血腫を認めることがあります。慢性硬膜下血腫の患者さんには局所麻酔下で穿頭ドレナージ手術を行っています。

専門医・認定医
Specialist

施設認定

  • 日本脳神経外科学会専門医訓練施設
  • 日本脳卒中学会認定研修教育施設
  • 日本認知症学会専門医教育施設

指導医、専門医

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 日本認知症学会指導医,専門医
  • 日本血管内治療学会専門医
  • 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 日本がん治療学会認定医
  • 日本頭痛学会専門医
  • 日本脳卒中の外科技術指導医

切らずに治せる頸動脈狭窄症 - 経皮的頸動脈ステント留置術 -

「頸動脈狭窄症」とは頸部(くび)の動脈(血管)が細くなり、脳への十分な血液の供給が出来なくなったり、血管の細い 部分から血栓(血の塊)が脳へ飛んでしまい、脳梗塞を起こす病気です。脳梗塞の原因の約3割を占め、高血圧症、糖尿病、高脂血症をお持ちの方に起こりやすく、動脈硬化が進行して次第に血管が細くなり起こる病気です。

これまでの「頸動脈狭窄症」の治療は、全身麻酔をかけて頸部(くび)を切開し、さらに頸動脈も切開して血管を細くしている病気の部分を切除する「頸動脈内膜剥離術」が主流でしたが、2008年4月より「頸動脈内膜剥離術」による手術の危険性が高い方を対象として「経皮的頸動脈ステント留置術」が日本で保険承認され、これは頸部(くび)を切らずに局所麻酔で行える負担の少ない手術方法です。

対象となるのはご高齢の方や心臓病、腎臓病、肺の病気をお持ちで全身麻酔が難しい方、また反対の頸動脈がすでに詰まっていたり、以前に「頸動脈内膜剥離術」を受けていて再び血管が細くなった方などで、症状別では既に脳梗塞による症状がある方は狭窄率(血管の細さ)が50%以上(正常の血管の半分以下の細さ)、まだ脳梗塞を起こしておらず無症状の方は狭窄率が80%以上(正常の血管の8割以下の細さ)が治療の適応となります。

検査方法は「頸部超音波検査」(図1)と言って頸部(くび)に機械を当てるだけの簡単な方法で、動脈硬化の度合いや血管の細さがすぐにわかります。 また頸部MRA(図2)と言って磁石の力で簡単に頸動脈を検査出来る方法があります。
それらの検査を踏まえて異常が見つかればさらに進んだ造影検査(造影CT、脳血管造影)(図3)が必要となります。

「経皮的頸動脈ステント留置術」の手術方法(図4)は、まず足の付け根に局部麻酔を行い、足の付け根の動脈からカテーテルと言う管を血管に入れて頸動脈までカテーテルを進めます。 そして血管を細くしている病気の部分を一旦バルーン(風船)で拡げて<前拡張>、その後ステント(金属の筒)を留置<ステント留置>し血管を拡げます。 さらに留置したステント内でもう一度バルーン(風船)で拡げて<後拡張>終了となります。手術時間は30分から1時間程度です。負担の少ない手術ですが5~10%程度の危険性があります。詳しい内容は脳神経血管内治療医にご相談下さい。

急性期脳梗塞に対する脳血管内治療

急性期脳梗塞とは:

「急性期」とは症状が出てから数時間の間もない時期を言い、「脳梗塞」とは脳を栄養する動脈に血栓(血の塊)が詰まり脳に障害を起こす病気で、 まず起こる症状はうまく言葉が話せなかったり、片方の手足のしびれや脱力が生じたり、意識がはっきりせず朦朧(もうろう)としているなどがあります。このような症状は脳梗塞の可能性があり、直ちに救急車を呼んで出来るだけ早く病院に行き診断と治療を受ける事が大切です。脳梗塞は症状が出てからいかに早く治療を行うかが後遺症を軽くする上でも大切で、時間がかなり経ってから病院へ行き治療が遅れてしまうと意識障害、片麻痺、言語障害などの重い後遺症が残る可能性があります。

まず第一に行われる治療は:

急性期脳梗塞に対してまず第一に行われる治療は、症状出現から4.5時間以内であれば「アルテプラーゼ静注療法」が行われます。これはアルテプラーゼと言う血栓を溶かす注射薬を静脈から点滴する治療法で、治療の有効性や安全性が確立されています。しかし副作用として脳に出血する事があり、持病や持病のために飲んでいる薬の影響や血液検査で異常があるとこの治療が行えない事があります。また症状出現から4.5時間以上が経ってしまうとこの治療は行えません。

脳血管内治療とは:

最近では「アルテプラーゼ静注療法」が行えない場合やこの治療法が効かなかった場合に「脳血管内治療」が行われる事があります。「脳血管内治療」とはカテーテル(医療用の細い管)を脳の詰まった血管まで進めて、詰まった血の塊を吸い取ったり(血栓吸引療法)(図1~3)、

金属製の細い筒(ステント)で血の塊を回収する方法(ステント型機器による血栓回収療法)(図4~6)で、「脳血管内治療」も症状出現から8時間以内でないと行えず時間制限があります。この治療法は「アルテプラーゼ静注療法」のように有効性や安全性がまだ確立されておらずこれからの治療法ですが、有効な場合もあります。

急性期脳梗塞に対しては症状出現から4.5時間以内であればまず「アルテプラーゼ静注療法」が行われ、4.5時間を過ぎていたり、「アルテプラーゼ静注療法」が効かなかった場合に 症状出現から8時間以内であれば「脳血管内治療」が行われる事があります。いずれにしても脳梗塞を疑わせる症状があれば出来るだけ早く病院に行き診断と治療を受ける事が大切です。

頭を切らずに治せる脳動脈瘤 - 動脈瘤塞栓術 -

脳動脈瘤とは:

「脳動脈瘤」とは脳の血管にコブが出来る病気で、コブが破れると「くも膜下出血」を起こし脳に重大な被害を与え命に差し障る事もあり、大変厄介な病気です。これまでは頭蓋骨を切って手術を行う開頭手術で、「脳動脈瘤」を金属クリップで遮断する「開頭クリッピング術」が主流でしたが、最近では頭蓋骨を切らずに血管の中だけで行う手術、「脳血管内手術」があり、カテーテルと言う細い管を使うためカテーテル手術とも呼ばれます。「脳血管内手術」は頭にメスを入れないので体にかかる負担が少なく、血管の中だけでの操作であるため脳や脳神経に直接影響を及ぼすことがありません。「脳血管内手術」で「脳動脈瘤」を治療する場合、コブを白金コイルで詰める方法(脳動脈瘤塞栓術)を行ないます。 また「脳動脈瘤塞栓術」は「開頭クリッピング術」と比べて劣らない治療であることが近年報告されています。

手術方法は:

通常、足の付け根にある動脈かあるいは肘の内側にある動脈にカテーテル操作を安定させる「シース」と短い管を入れ、その中に「ガイディングカテーテル」と呼ばれる管を首の動脈まで誘導し、この管の中に「マイクロカテーテル」と呼ばれる極細の管を通して脳の血管のコブ(脳動脈瘤)へ到達させ治療を行います。この「シース」、「ガイディングカテーテル」、「マイクロカテーテル」の三段構造で安全な治療が行えます。

脳動脈瘤塞栓術とは:

「コブ(脳動脈瘤)の中に留置した「マイクロカテーテル」(①)からコブの大きさや形に合わせて白金コイルをコブの中に少しずつ詰めて行き(②③)、 最終的に白金コイルでコブの中を満たして血流が入らないようにして(④)破裂を防ぐ方法です。

脳血管内手術の危険性は:

「脳血管内手術」は手術である以上100%安全な治療方法とは言えず、ある程度の危険性があります。全ての「脳動脈瘤」に「脳血管内手術」が 可能となるわけではありませんが有効な手術方法の一つで、脳血管内手術は日本脳神経血管内治療学会が認定した脳血管内治療専門医によって行なわれます。脳血管内手術についての詳しいお話やご質問がございましたら一度脳血管内治療専門医にご相談下さい。

治療
Cure

膠芽腫に対する電場腫瘍治療

はじめに

オプチューン(電場腫瘍治療システム)は、手術や放射線治療、化学療法などの治療後に再発が認められた膠芽腫に使用される治療機器です。
また、2016.12.20に、「成人患者で、すべての可能な摘出手術および放射線治療施行後の治療に適用」と初発患者さんへの適応拡大が承認されました。
[販売名:NovoTTF-100Aシステム 承認番号:22700BZI00010000]

膠芽腫とは

gliomaの中で最も悪性の腫瘍と言われています。出血を伴うことが多く、腫瘍内部に壊死巣が見られることがあります。未分化で増殖能が高く、極めて進行が速い。週数単位で症状が悪化することがあります。
症状としては、急速に増大する腫瘍による頭蓋内亢進症状、嘔吐、初発症状には頭痛が多く、他の脳腫瘍と同様、朝に強い頭痛が見られることが多い。その他、運動麻痺、痙攣、見当識の低下があります。

オプチューンを用いた治療

オプチューンは新しい治療方法の一つで膠芽腫が再発した成人患者に対し用いられます。化学療法と同等の効果を有し、生活の質の向上に寄与します。 持ち運びができる携帯タイプで、頭皮に貼りつけておくだけでよいため、仕事や旅行、家族と過ごす日常生活にあまり影響を与えることなく治療が可能です。

オプチューンは、頭皮に貼る粘着性シートに取り付けられたセラミック製の板を通して、脳内に治療電場を作り出し、急速に増殖を繰り返す再発膠芽腫の細胞分裂を阻害することで、腫瘍細胞を抑えるよう作用します。 波状の交流電場を形成し、脳上部を異方向に動き再発した膠芽腫が細胞分裂するのを抑制・停止させます。電場は急速に分裂する腫瘍細胞に対して影響を与えますが、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど影響を与えません。 腫瘍細胞を標的とする局所に限定した非侵襲性の治療法で、化学療法などでみられる吐き気、食欲不振、血球数の減少などの全身性の副作用が少なく体に負担の少ない治療法です。

治療を受けるにあたって

治療前に髪を短くカットし、電気シェーバで剃毛します。この治療による主な副作用は貼付箇所の皮膚炎症です。長時間貼り付付けるため、頭皮ケアを行ってください。
治療効果を得るためには、1日18時間以上、4週間以上の継続的な使用が必要です。
稀に頭痛、脱力、転倒、疲労、筋痙縮、皮膚潰瘍が起こる事があります。これらの症状または他の気になる症状が現れたら、早めに担当医師に相談してください。

当院はノボキュア社認定講習を修了した医師がおり、当院での治療が可能となっております。

オプチューンはノボキュア リミテッドの登録商標です。©2016 Novocure. All rights reserved. Optune and Novocure are trademarks of Novocure.



診療実績

手術件数2023年度実績
主要手術件数(入院) 件数
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 88
頭蓋内腫瘍摘出術 48
経皮的脳血栓回収術 23
経皮的頸動脈ステント留置術 19
水頭症手術 19
脳血管内手術 16
頭蓋内微小血管減圧術 10
脳動脈瘤クリッピング術 10
経皮的脳血管形成術 9
血管塞栓術 9
内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術 8
穿頭脳室ドレナージ術 7
脊髄ドレナージ術 6
頭蓋内硬膜下血腫除去術 6
頭蓋内動脈吻合術 5
内視鏡下脳内血腫除去術 5
減圧開頭術 3
骨内異物(挿入物)除去術 3
頭蓋骨形成手術(硬膜形成を伴う) 3
経皮的脳血管ステント留置術 2
脳血管疾患(脳動脈+脳梗塞)
年間症例数(2022年1月~12月の年間症例数)
計 24例
開頭手術
破裂脳動脈瘤6例
未破裂脳動脈瘤5例
血管内治療
破裂脳動脈瘤8例
未破裂脳動脈瘤5例
脳腫瘍手術
年間症例数(2022年1月~12月の年間症例数)
計 57例
神経膠腫13例
下垂体腺腫6例
神経鞘腫(うち、聴神経鞘腫)2例(2例)
髄膜種(うち、頭蓋底髄膜種)12例(8例)
その他脳腫瘍手術24例

医師教育

本院は、脳神経外科医を希望する後期研修医を広く募集しています。脳神経外科専門医、脳卒中専門医のほか、血管内治療、神経内視鏡手術、頭痛、がん治療、認知症など、幅広い専門医と認定医を育成しています。後期研修医をはじめ脳神経外科医師を積極的に受け入れ、医師育成に力を入れています。研修医は多くの手術に入ることができます。研修プログラムに基づいて、脳神経外科基本手術から高度な顕微鏡手術、血管内手術、神経内視鏡手術など様々な技術を習得できる教育環境が整っています。全国学会、国際学会の発表、論文発表を積極的に行っています。

専門外来、特殊外来

  • 脳腫瘍外来 (水,金曜日)
  • 血管内治療外来 (月,木曜日)
  • 顔面けいれん,三叉神経痛などの機能的脳外科外来 (水,金曜日)

著書、論文 (2009年~)

  1. Nishizaki T, et al: Occipital inter-hemispheric approach for lateral ventricular trigone meningioma. Acta Neurochir 151: 1717-1721, 2009.
  2. Nishizaki T, et al: Cerebellopontine angle facial schwannoma relapsing towards middle cranial fossa: Case report. Clinics and Practice 2:31, 2011.
  3. Nishizaki T, et al: Successful neuroendoscopic treatment of intraventricular brain abscess rupture. Clinics and Practice. 3:52 2011.
  4. 池田典生 他: 外転神経麻痺にて発症した全身性エリテマトーデスに合併した未破裂内頸動脈瘤の1例. 脳神経外科 40:429-435, 2012.
  5. Nishizaki T, et al: Factors determining the outcome of pontine hemorrhage in the absence of surgical intervention. Open J Mod Neurosurg 2: 17-20, 2012.
  6. 阿美古将 他:頸部内頚動脈閉塞症を伴った側頭動脈炎に対する浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術の一例. 脳神経外科 40:43-48, 2012.
  7. 池田典生 他: シロスタゾールが奏功した症候性頭蓋内動脈狭窄症の3例. 脳卒中 34:161-165, 2012.
  8. Nishizaki T: Surgical approaches for lateral ventricular trigone meningioma. Meningiomas. In book, Meningiomas - Management and Surgery 126-136, 2012.
  9. Nishizaki T, et al: Neurological Changes after Surgical Intervention for Intrinsic Cavernous Anigoma. Open Journal of Modern Neurosurgery 2:63-65, 2012.
  10. 池田典生 他:頚部内頚動脈の線維筋性形成異常症に起因した左中大脳動脈閉塞症の1例.JNET 6 :40-45、2012
  11. Okamura T, Nishizaki T, Ikeda N, Nakano S, Abiko M, Sakakura T, Okuda T, Fukui J: Microvascular decompression for tinnitus. Surgical indication with median nerve stimulation. The Bulletin of the Yamguhchi Medical School 60: 37-46, 2013.
  12. 池田典生, 阿美古将, 坂倉孝紀,中野茂樹, 西崎隆文: 慢性期内頸動脈完全閉塞に対する脳血管内治療. 脳卒中の外科 42: 109-115, 2014.
  13. 池田典生,阿美古将,坂倉孝紀,中野茂樹,西崎隆文: 慢性期内頚動脈完全閉塞に対する脳血管内治療. 脳卒中の外科 42 : 109-115, 2014.
  14. 池田典生,西崎隆文, 坂倉孝紀, 藤井奈津美: 遺残原始舌下神経動脈に合併した多発性未破裂の右動脈瘤の1例. Journal of Neuroendovascular Therapy (JNET) 9 : 266-271,2015.
  15. Nishizaki T, Ikeda N, Nakano S, Sakakura T, Fujii N, Okamura T: Clinical status of patients with cerebraospinal flow hypovolemia treatd with and epidural blood patch. Open Journal of Modern Neurosurgery 5: 107-112, 2015.
  16. Ideguchi M , Nishizaki T, Ikeda N, Nakano S, Okamura T, Fujii N, Kimura T, Ikeda E: Metastatic cerebellar tumor of papillary thyroid carcinoma mimicking cerebellar hemangioblastoma. SpringerPlus 5:916. 2016.
  17. 岡村知實, 西崎隆文, 池田典生, 中野茂樹, 坂倉孝紀, 藤井奈津美, 奥田剛: 第VIII神経血管圧迫症の診断に寄せて. 臨床的特徴のスコア評価. 脳神経外科 45: 117-125, 2017.
  18. 出口誠, 西崎隆文, 池田典生, 中野茂樹, 藤井奈津美, 田中康恵, 大野真知子, 島袋太一, 岡村知實, 真野忍, 岡田誠治, 神原学. 後下小脳動脈末梢部脳動脈瘤の診断におけるthin-slab MIP法の有用性. CT研究 39: 121-130, 2017.
  19. 出口誠, 西崎隆文, 池田典生, 中野茂樹, 岡村知實, 田中康恵, 藤井奈津美, 大野真知子, 島袋太一: Thin-slab MIP法による術前診断が有用であった後下小脳動脈末梢部に発生した多発性脳動脈瘤の1例. 脳神経外科 45: 1003-1009, 2017.
  20. Okamura T, Nishizaki T, Ikeda N, Nakano S, Ideguchi M, Fujii N, Okuda T: Indication and timing of surgery for chochleovestibular neurovascular compression syndrome. J Phonet and Audiol 2:127. Doi:10.4172-9455. 1000127, 2017.
  21. 池田典生, 西崎隆文, 藤井奈津美, 出口誠, 中野茂樹:Wingspan stent の使用経験と文献レビュー 脳卒中の外科 45(4): 297-301, 2017.
  22. 菅一能, 玉井義隆, 出口誠:Gd-DTPA造影効果の低いgliomaにおけるMET PETの有用性 核医学 55(1): 112-113, 2018.
  23. Ideguchi M, Nishizaki T, Ikeda N, Okamura T, Tanaka Y, Fujii N, Ohno M, Shimabukuro T, Kimura T, Ikeda E, Suga K: A surgical strategy using a fusion image constructed from 11C-methionine PET, 18F-FDG-PET and MRI for glioma with no or minimum contrast enhancement. J Neurooncol 138: 537-548, 2018.
  24. 西崎隆文: カダバーと動画で学ぶ脳深部アプローチ: Interhemispheric precuneus approach. 井川房夫 (編). 中外医学社 27-37, 2018.
  25. Fujii N, Ideguchi M, Nishizaki T, Ikeda N, Shimabukuro T, Okamura T: Successful treatment of a case of tentorial dural arteriovenous fistula causing subarachnoid hemorrhage with invagination of the brainstem by huge and multiple venous pouches. Surg Neurol Int 10:2, 2019.
  26. 西崎隆文: 不整脈の考えかた, 治しかた: 心原性脳梗塞の急性期治療. 清水昭彦 (編) 中外医学社 224-229, 2019.

データベース事業「National Clinical Database」について

当院は、外科系の専門医制度と連携したデータベース事業「National Clinical Database」の参加病院です。

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